介護職が活躍している現場は介護施設だけではありません。利用者の家でも介護職の1つであるホームヘルパーが活躍しています。ホームヘルパーは、利用者の家を訪ねて身体介助や生活援助などのサービスを提供します。基本的に1人で介護を行うことになるため、初めて仕事に行くときは「どうすればよいのか」「上手くできるか」と悩みや不安を抱えがちです。初めてのことに1人で挑戦するのでそれも当然でしょう。
初めて利用者の家を訪れる時には、事業所から説明を受けた訪問介護計画書と仕事の手順書をよく読んで、訪問前に頭の中でシミュレーションしておきましょう。繰り返し十分に予習しておくと、次にやることを考えながら仕事が進められ、無駄な動きが少なくなります。ただし実際に働いてみると、シミュレーション通りには進まないことが多いです。利用者がトイレからなかなか出てきてくれない、利用者の体調が悪く移動に時間がかかってしまうということはよくあります。こうしたことをハプニングだと思わず、当たり前のこととして仕事をしていくことが重要になります。
またホームヘルパーは利用者宅に訪れて介護を行うため、時間内に仕事が完了しなければ利用者やその家族に迷惑を掛けてしまいます。そのため時間内に仕事が完了しなかったときには、何に時間がかかったのか、無駄な動きをしていないか、おしゃべりに夢中になっていなかったかなど、自分の行動を振り返ることが何よりも大事です。原因がわかったら、やり方を工夫しながら無駄な時間を削っていくことが大切になります。その時、手順書を参考にすることは大事ですが、そこにこだわりすぎると時間をオーバーすることも多いです。現場をよく知るホームヘルパーだからこそわかることもあります。たとえば料理の盛りつけなど、利用者やその家族にやってもらえそうなことがないかを検討していく必要があるでしょう。ただし自分で勝手に判断するのではなく、必ずサービス提供責任者に相談してから利用者やその家族に相談することが大切です。